読んで、語り伝える

ここはいちおう職業としてはアニメプロデューサーの書いているブログなのですけど、アニメの記事はあまりありません。

 

なので、ぼくのブログに検索でたどりつくワードで一番多いのはアニメ関係ではなく、最近だとだいたい「三体」や「劉慈欣」つまりSF小説です。しかも中国の。
話題の割に言及してるところが少ないからでしょう。

 

以前は本について書くとてきめんにアクセスが少なくなるのでSFやミステリについてあまりふれていなかったのですが、まあアクセス数といってももともとの分母も小さいですし、たまにですがお会いするかたに本の感想を参考にしてますといわれてちょっといい気分になったりすることもあって、なんとなくここしばらくはおもしろかった本について書くようにしています。

 

自分をふりかえってみると「この本おもしろいよ」という話題で重要なのは、本そのものよりも「その発言をしたひとが誰か」でありました。つまり「このひとがおもしろいというなら読んでみたい」か「読み手として信頼できるか」で、まあどちらでもだいたい同じ意味です。

これがさらにあいまいな「SF/ミステリおもしろいよ」といわゆる「ジャンル」の話であればなおさらで(ジャンルは玉石混交ですからね)、発言者が大事です。

なので、「中国の傑作SFが英訳された」とブログに書いてあるのを読んで「よーし英語で読んでみよう」と思うひとはあまりいらっしゃらないと思うのですけど(だから今まではあまりブログで本の話題をしてなかったわけで)、それはそれとしてぼくが楽しくSFを読んでいること自体はほんのわずかであっても「本への興味」にプラスなのではと考えなおしまして、なるべく楽しそうにSFやミステリを中心に本について語っていこうかなあというのが最近の心境です。

 

もしこのブログを読んだことがきっかけで、ひとりでも「本を(SF/ミステリを)読んでみようかな」と感じたかたがいらっしゃれば幸いです。


アニメの企画プロデュース会社

電撃文庫の三木一馬さんの起業がニュースになっていて、さすが敏腕編集者さんすごいなあとさっそく株式会社ストレート・エッジのサイトを拝見してたら事業内容に

「アニメーションの企画、制作、制作管理、宣伝及び投資」

というのがありました。






「なんだこいつ敵じゃねえか!!」







そんなこんなでふとアニメの企画プロデュース会社ってどれぐらいあるのだろうと気になって検索してみました。
ぱぱっと検索してみただけなので抜けも多そうですが、それでもけっこうあるんですね(ご指摘あれば随時追加します)。


有限会社アンバーフィルムワークス
http://www.amberfilmworks.com/

有限会社イー・イー・ジェイ
http://www.eej.co.jp/

株式会社インフィニット
http://www.infinitedayo.jp/

株式会社EGG FIRM
http://www.eggfirm.com/

株式会社オッヂピクチャーズ
http://oggipictures.jp/

株式会社おっどあいくりえいてぃぶ
http://oddeyecreative.com/

株式会社ジェンコ
http://www.genco.co.jp/

株式会社ツインエンジン
http://www.twinengine.jp/

有限会社バーナムスタジオ
http://barnumstudio.com/

LMD株式会社
http://lmd.co.jp/

 

煙草と悪魔

WHOが映画の喫煙シーンを成人指定するよう勧告したと話題になってました。

http://www.cinematoday.jp/page/N0080024

こちらはこのブログで9年前の2007年2月に書いたものです。
(いちおう追記しておくと最近はこれを書いた当時ほど喫煙シーンの描写にきびしくない印象です)

2次元を超えて

で、この手の話題に必ずつきまとうのが影響はあるのかないのか問題です。
その点につきましては2013年8月のこちら。
「非実在児童ポルノ」みたいな単語が話題になってたころなのですかね。
ちょっと長いですが。

瞳の中のアンファンテリブル


「映像に影響力はあるのか」といわれれば、みなさん「ある/ない」とおっしゃりますが、アニメでごはんを食べている里見としては「あります」としかお答えしようがないので困ります。
これを否定すると、映像を見せて商品を購入していただくCM(ひいてはそのスポンサー料で番組を制作しているテレビのビジネス)が成り立ちません。かつてはアニメも「30分のコマーシャル」と揶揄されてきたようにおもちゃを売るために制作されてきました。今は多様化していますのでおもちゃとは限りませんが、映像制作費を回収するためのマーチャンダイジング的な何かが存在しています。でないと継続的に映像制作ができないですからね。

それなのに今さら「映像見ても何も影響ないですよ」とか「教育的にいい影響はあたえるけど悪い影響はあたえないですよ」みたいなことは口が裂けても申せません。
ただ「きれいなものだけ見せて育てる」のはなかなか困難です。朝起きてから寝るまでで視野に入るものの何割が「映像」か考えていただければわかるように、影響力のほとんどは「映像」ではなく「周囲の環境」から受けています。

とはいえこれも世の流れですから、流れに掉さす派のぼくとしては「過去作は尊重していただきたいが、これからつくられる映像について喫煙シーンをなくしていく方向で」とか「成人指定はやりすぎだけど、ポスターに喫煙マークを明記しましょう」あたりでうまく落ち着くとよいかなあと思います。

HP更新しました

ずっと放置していたHPを更新しました。

http://barnumstudio.com/

実はこのブログ以外にHPも持っていたのです。
今まで3か月〜半年に1回ぐらいの頻度で更新してたのが、ここんとこ1年ぐらいすっかり失念してました。
ご覧のとおり里見の備忘録的なものでたいした情報も載っていないのですが、更新されないHPに不信感を抱かれ新規のクライアントさんをのがしている可能性もゼロではないですからね。

おもな更新点ですが、「Works」を2015年まで作成しまして、ライデンフィルム案件をはずしてバーナムスタジオ案件だけにしました。結果2013年以降はライデンフィルムのお仕事が多いため、バーナムスタジオとしてかかわっているタイトル数が減っています(合わせて記載してもいいかなとちょっと思いましたが、それはそれで個人会社であるバーナムスタジオタイトルとしてはある種の「水増し」なのでやめておきます。ライデンフィルムのタイトルはお手数ですがあちらのHPでご確認ください)。

また半年後ぐらいに更新しようと思います。

谷甲州『コロンビア・ゼロ: 新・航空宇宙軍史』

全然日本SFの話を書いてないなーと思いましたが、決して読んでないわけではなくて。

でも一番おもしろかったのが谷甲州の『コロンビア・ゼロ: 新・航空宇宙軍史』という自分の進歩のなさというか、さすがにまあ書くまでもないよなと。

つい思っていたのですが、よく考えたら最近の谷甲州作品はぼく的にはつらいものが多くて優先順位が下がっておりました。ところが一昨年出た『星を創る者たち』はおもしろかったのですね。ということはぼくが好きなのは「昔の谷甲州」なのではないかと。
その「昔の谷甲州」の代表作「航空宇宙軍史」を「今の谷甲州」が今の文体で書いてしまうのかと、桑田次郎の『エイトマン』の描き足されたラストとか『妖星伝』の最終巻とかいろいろよぎって……
不安8割ぐらいでおそるおそる読みはじめたらあらびっくり。

まごうかたなき「航空宇宙軍史」の正統続篇でありました。

ずるいよねこの「新たな戦いへの序曲」的短編集は。中高生のころから「航空宇宙軍史」シリーズを読んできて、その後20年待ってたごほうびみたいなつくりですもの。

あと何冊出るのかわかりませんが、高校生のころのわくわく感でお待ち申し上げております。

サファイア楊令伝

歴史上の人物を女性にするのがはやってるので、天使のいたずらで男女両方の心を持ってしまった男装の麗人が梁山泊を率いて宋と戦う『サファイア楊令伝』というのを考えてみたのですが、楊令は架空の人物でした。残念。

老人とは誰か

日本は少子高齢化社会といわれてひさしいです。

そうなるとなにかあるたびに「老人」は優遇されてるだの既得権益だのという話になりがちです。

このまえの「大阪都構想」の住民投票でもそのような話題が飛びかいました。


この問題となっている「老人」とは何者なのか、という話です。


以前JALが経営破綻、ひらたくいうと倒産に追い込まれたとき(現在はめでたく公的資金を導入して復活を遂げています)、企業年金に注目が集まりました。

倒産しちゃうから年金を減らそうというときに、現役の社員は5割減、OBは3割減という提案に対して現役社員は早々に賛成、OBは反対となり、すわこのまま法的整理かという段でからくも2/3の賛成票を得て切り抜けたということがありました。



この「OB」がいわゆる「老人」なのだと思います。

現役社員が状況をかんがみてより大きな負担でも飲むのに対し、OBは優遇された3割減でも拒否し、「このままだとゼロになるよ」といわれたら賛成に回るというとても利己的な存在として語られました。


今回の住民投票でも「老人」が破綻しかけている大阪の財政を考慮せず、公共交通機関の無料パス等の(ある意味ささいな)優遇措置が削られることから財政再建という大義を拒否したとのことです。



これが事実かどうかではなくて、JALのときもそうでしたし今回の大阪市の件でもそのような意見をニュースやネットで散見しました。

これが憎しみの対象となる「老人」です。


現実の「高齢者」ではなく、この「」でくくられる「老人」はとてつもなく利己的でおのれのメリット以外に興味のない、「継続的であるべき社会」のとてもわかりやすい「敵」として想定されています。
具体的に申し上げると70歳以上ですから今の時点では「団塊の世代」以上のひとびとです。

いつの時代もひとの知性はたいして変わりませんので、この世代の享受した「環境と立場」そして別の世代の「観察者たちのまなざし」が「老人」をつくりあげています。世代人口が多いのも、金銭的に恵まれてるのも別に本人が悪いわけじゃないですからね。

そしてこの仮想敵である「老人」への不満や憎しみはどこに向くのかというと「団塊の世代」ではなく、そのこどもの世代である「団塊ジュニア」になりますので、今ちょうど40過ぎのみなさまは覚悟をしておく必要があります。
これはどうしてかというとふたつありまして、ひとつは人間は毎年1歳ずつ老いること、ひとつは制度の変更には時間がかかることによります。
というわけで「団塊の世代」という最大のボリュームゾーンがいなくなるまで待ってから、「若者」が牙をむいて「老人」に襲いかかります。それはいつかを具体的には申し上げると20年から30年後になります。2〜30年後の「若者」が2〜30年後の「老人」に。


つまり駆逐される「社会の敵」は、ほかならぬ今年41歳になるぼくなのです。
そう考えるとこれから「老人」として打倒されるまでの2〜30年にわたって、親の世代の平穏を守りつづけられ、身の処し方しだいで子の世代に平穏をもたらせるというたぐいまれな、負い目のない世代に生まれてよかったです。
 

神の意表を衝くッッ!!

以前どこかで申し上げたことがあるのですが、人類には「盲点」とならぶ神の「明らかな設計ミス」があります。

それは


「単位が通貨になると人類の計算能力は劇的に低下する」


というものです。

たとえば


100-300+400

 
という計算式は小学生でも解くことができると思います。

答えは200です。

ところが
 
100万円-300万円+400万円


になると話は別です(わかりやすくするために「万」をつけくわえてあります)。
するとあら不思議とたんに人類は計算できなくなります。

まず多くのひとは100万円にたどり着けません。なぜ最初に100万円を設定しなければいけないのか、ほかの数字ではいけないのか、100万円ならもっと有効な活用方法があるのではないか……と悩みだして、ほとんどのひとはまさかの「計算のスタートラインに立つことすらなく」最初の100万円を受け入れずに終わります。

そこをなんとかがまんして、最初の関門である100万円を通過できたとしても、その次にたちはだかる-300万円の壁に人類はまず耐えられません。マイナス記号を削除するすべはないのか、はたまた何かで数字を大幅に削減できないか、次の記号がマイナスであることがわかっていて100万円以降に進む必要があるのか、その向こう側にプラス記号があるのだからなんとかショートカットして-300万円を飛ばせないかと、立ち往生してしまいます。危機察知能力の鈍いひとにいたっては、うっかり-300万円を踏んだところで恐怖に身がすくんでしまいせっかく目の前に+400万円があるにもかかわらず立ち往生してしまったりします。


そんなこんなで「万円」をつけるだけでほとんどの人類は200万円に到達できないのであります。

未来の収奪

「オリジナリティは常に未来に奪われる」問題というのがありまして、どのようなものかといいますと「伝説的な名作/傑作」と呼ばれる古典を見たり/読んだりしたときに感じる「あれ? こんなもんなの?」感のことです。

それは『七人の侍』でも『宇宙戦艦ヤマト』でも『Yの悲劇』でも『虎よ! 虎よ!』でもなんでもいいです。

それらは同時代のひとに衝撃をあたえ、そのジャンルの金字塔として不朽の名声を勝ち得たものであると同時に、その影響力ゆえに後続のひとたちにリスペクトされ分析され「模倣」されていきます。

結果、これらを特別なものたらしめた肝心の「オリジナリティ」はありふれたものとなり、当時の鮮烈な衝撃は失われます。

人類ではじめて揚げ物を食べたひとはこの世界にこんなうまいものがあるのかと衝撃を受けたのではないかなあと思うわけですもぐ。

宣伝2

こちらが 今月発売です。


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バーナムスタジオ

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