「冒険小説」という宝

常々レッテルのせいで損をしているなあと思っているのが「冒険小説」と「教養小説」です。
今回は「冒険小説」の話なので「教養小説」は適当に検索していただけますと。こちらもだいぶ損してると思います。


かつて「冒険小説」ブームみたいなのがありまして、船戸与一さん、逢坂剛さんをはじめとした錚々たる作家陣の傑作が次々に世に出ました。
なんか「冒険」というとどうしても『ゼンダ城の虜』のようなものを想像してしまいますが、「冒険小説」はどちらかというと「ハードボイルド」に近しいジャンルで、実際作家陣も重複しています。
現代の冒険の舞台は古式ゆかしい異郷とは限らず、ふとしたはずみで大きな陰謀や謀略に巻き込まれたり、みずから飛び込むことで生まれるのです。その意味で日本の「冒険小説」の源流には(まんがの)『ワイルド7』があるかもしれません。
今思うと「このひとは冒険小説ではなくハードボイルド/ミステリ作家では?」というひと(北方謙三さんや志水辰夫さん、大沢在昌さんあたりまで…)も当時は冒険小説作家として評価されたりもしてましたが、次第にジャンルが拡散してどうでもよくなってしまったように感じます。
まあ広い意味での「冒険」要素はほとんどの小説に含まれてますし、本来「冒険小説」は「おもしろければなんでもあり」のジャンルだったはずが、名称によって足を引っ張られては本末転倒ですからね。

「冒険小説」の傑作群はネットで検索していただくとして。
90年代というぼくの「冒険小説」の時代を特別なものにしてくれた作家として、稲見一良(いなみいつら)さんと谷甲州(たにこうしゅう)さん、多島斗志之(たじまとしゆき)さんを挙げておきます(たまたま難読系の作家さんがならんだので読みもつけて)。

あと紀和鏡(きわきょう)さんですね。

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