守護られざる者

何年か前に以下のブログを書きました。

五十年の蠱毒
五十年以降の蠱毒

数年経ちまして状況は変わったような変わってないような感じなのですが、「変わりつつある」と考えてよいのではないかと思います。

国内側の準備が整う前に世界との「壁」が崩れつつあります。

しかもそれは里見が望んでいた「二次商品と足並みを揃えての海外進出」のような日本主導のポジティブな手法ではなく、映像そのもので商売をする海外の配信事業者による一方的なアプローチです。
これは「放送」「ビデオグラム」の代替でもあるので、今後の影響はかなり大きくなることが想定されます。
どういうことかといいますと、国内だけで完結する牧歌的なサイクルのビジネスしかなかったところに、海外から「アニメの生産能力以外」すべてを持ったクライアントさんが現れたということです。なので必然的にアニメ業界に求められるのは「アニメの生産能力」だけになります。ある意味日本の電機メーカーさんが海外の工場で電機を生産してるのと同じですね。

これは極端ないいかたをすると「下請け工場化」です。

これがいいのか悪いのかというと、単なる「変化」でもあるのであまり気にしなくてもよいという考えかたもありますが、ビジネスのコントロールをすべて手放してしまうと、今後状況に変化があった場合の打つ手が非常に限られてきます。
たとえば「生産工場」を日本に限る必然性がないですから、韓国や中国に発注を切り替えることもあり得ますので、受注のために制作費や品質や納期の要求に応える競争も激化するかもしれません。
まあそのような時代の端緒にいるわけです。

とはいえこれは「オール日本」で考えたらという話でして、今のアニメ業界の現状でもそれぞれに役割を振られたプレイヤーの集合体(「製作委員会」なんかがわかりやすいですよね)です。
その中でのぼくらの役割はもともと「下請け工場役」なので、ぼくら視点にしぼると特に何か変わるわけではなく「海外から太いクライアントが来た」というありがたい変化でしかありません(もちろん遅かれ早かれ前述の競争激化に巻き込まれることにはなるのですけど)。

実のところ日本のアニメの優位性はもはや絵の品質ではなくなっています。これは韓国や中国の品質向上もありますし、国内蠱毒の果てに小さなマーケットに適応してシュリンクし続けた結果でもあります。
ですがアニメの本質的な優位性は、主たる原作の供給元である出版のマーケット、特にマンガのマーケットにあります。こちらもピークを超えて久しくだいぶ苦しくはなっていますが、それでもまだまだ世界的に見れば最強と申し上げてよいかと思います(潜在的にはまちがいなく集英社さんや講談社さんはマーヴェルさんやDCさんに匹敵するIPホルダーです)。

ここが今後のアニメ業界にとって大きなポイントになってくるのではないかと思います。

そんなこんなでまたしても変化の時代が到来してしまったので、これからも楽しくやっていきましょう。

今回は日本視点でだらだら書きましたが、このようなことを日々考えている人間はそれほど多くありません。
海外クライアントさんからのご連絡もお待ちしております。
弊社と組むとおもしろいですぜ。

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