戦車戦略 砂漠の狐

話題になっていたので大木毅『「砂漠の狐」ロンメル ヒトラーの将軍の栄光と悲惨』を読みました。

ロンメルといえばぼくの知識(おもにケムコのファミコンソフト「砂漠の狐」)によると、西部戦線では衝撃的な電撃戦で、北アメリカ戦線では機甲師団を巧みにあやつって、その大胆かつ神出鬼没な戦略で連合国側を翻弄し続け、最後はヒトラー暗殺計画に関与したとして自死を命じられたナチス第三帝国最強の知将です。

ところがそんな一般的なイメージをくつがえすようなロンメルの分析、研究はずっと続いていて、多くの新事実や成果があがっていたにもかかわらず日本ではほとんど紹介されることなく、知識のアップデートが数十年遅れている状況なのだそうです。

かつては英雄とされてたのが虚像であるとされて、今は再評価のターンみたいです。
この本は英雄か虚像かという極論を経てたどりついた人間ロンメルについて今の研究成果をコンパクトにまとめて紹介したものになります。

ロンメルは功名心や虚栄心が強く、常に先頭に立って戦線に突っ込んでいき、補給や兵站への興味は薄いが知略は優秀、と天才的な現場指揮官であったが、司令官としてはまったく適任ではなかった、というのが今の評価のようです。 あまりに深く敵陣に切り込んで何度も音信不通になってますし、司令官としては厳しいですよね。

手柄は自分だけど失敗はみんな他人のせいにするし。

そんな人間味あふれる実像が判明しても、常に危険と隣り合わせの最前線立ち続け、たとえヒトラーの指令であっても捕虜を処刑しなかったロンメルの高潔さというか筋の通った倫理観はゆるがず、戦時中敵である連合国側からも畏怖とある種の尊敬を勝ち得ていたときのまま、読後もエルヴィン・ロンメルは「砂漠の狐」であり続けていたのでよかったです。

で、ロンメルを自殺に追い込んだヒトラー暗殺計画ですが、濃淡は議論の余地がありつつもなんらかの関与はしていたっぽいです。。


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