『女帝 小池百合子』の感想。

素直に力作と感じました。

ホラー小説的なおもしろさですけど。小池さんご本人の半生ももちろんホラーなのですが、とくに政治家として転身をくりかえす後半部は取材をしなくても世に出ている情報でかなり描き出せる内容にもかかわらず、(一部雑誌メディアをのぞいて)報道されることなく今に至っているメディアの現実も含めて。

 

ぼくは先日ブログにも書きましたが「今の状況はほぼメディアが用意した」と思っています。

といってもメディアや政治を構成する個人の問題ではないです。

視聴率や部数や投票数や支持率といった複雑なものを〇✕で抽出する手法に原因があります。

そんな粗く感情的な数字を獲得するのに特化した結果、本来のメディアや政治の「物語」が衰退して、さらに数字獲得に特化しまた「物語」が薄まり……という悪い連鎖の果てが今をつくっています。

小池さんはあらゆる局面で「数字になる/ならない」に忠実に判断しているだけなので、おそらくご本人のなかで嘘や裏切りへの葛藤もないと思います。そういう意味でこの数字特化の典型なのだと思います。

 

描かれた内容の精査は今後なされていくでしょうが、大枠はゆるがないだろうと思います(小池さんもよっぽどの切り札がなければ否定は数字にならないので無視かうけながすかでしょうし)。この悪い連鎖のなかその中心的人物に向けてこれだけ直接的な著作をものした筆者の姿勢に敬服します。

 

あとは「報道の使命」だとか「社会の木鐸」といった「物語」を喪失したメディアがこの著書の記述を「数字になる」と思えば動き出すのですがどうなるか。

 


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