神は銃弾?

『マルドゥック・ベロシティ』読了いたしましたので忘れないうちに感想をば。

(11/24微妙に改稿)


 気になっていた文体は、あり、だと思いました。この文体は先に『〜シュピーゲル』二作の方で使用されているとのことですが、ほかの作品でもコレをつかうとなるときびしいかもしれません。
 ライトノベルでは危険でしょう……いやむしろ文体に対する固定観念みたいなものがないからむしろいいのかな。読んでいないのでなんとも云えませんが。まあハヤカワ文庫というリテラシーの高いライトノベル(……ちがうかな? リテラシーはともかく年齢はまちがいなく高そげ)の叢書で反応をみるのは正しい判断かもです。
内容については目指したとおりの仕上がりなのではないでしょうか。ストレートでバッドテイストなハードボイルド忍法帖の未来形。山田風太郎の過剰な魔界エンターテインメント精神の落とし子。見捨てられたフリークスの饗宴。
 前作『マルドゥック・スクランブル』の魅力の第一は緊迫のカジノシーンだと思われるのですが、それに相応する歪なものは今回ありません。ダースベーダーが誕生するさまをただただ眺める感じ。文体のおかげで密度はかなり高いです。密度ではなく「速度」かもしれません。限界速度。物語の長さを考えるとよくこの三冊に収まっているなと感心いたします。文体と内容のマッチングのよさをみると、物語に応じた文体開発というのも必要なのかもしれません。
 ボイルドがあまりに相棒思いのナイスガイなので、前作でのネズミの対応はあんまりのような気もいたします。無垢ゆえの残酷さですかね。ヒロイン(?)のナタリア、ボスのクリストファー、検死医ワン・アイド・モス等々味方サイドには魅力のあるキャラクターがいるのに対して、敵方は少し弱い気がしました。数はいるのですが。ニコラスとフリントぐらい? 前作のボイルドの位置のフリントが、強いのですがあまり活躍できなかったのが残念です。

 結論としては糞溜フリークス野郎どもの暴力&権力闘争のおとぎ話でした。


3冊まとめて読むのが吉かと思われます。前作同様1冊が分割されているだけなので。

さて。次はどうなる?



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