『犬の力』

犬の力 上 (角川文庫)
犬の力 上 (角川文庫)
東江 一紀

犬の力 下 (角川文庫)
犬の力 下 (角川文庫)
東江 一紀


『ストリート・キッズ』をはじめとする「ニール・ケアリー」シリーズや映画にもなった『ボビーZの気怠く優雅な人生』(映画タイトルは『ボビーZ』ですね)などなどどれもハズレなしのドン・ウィンズロウひさびさの新作であります。今回は簡単にまとめると「メキシコ版『ゴッドファーザー』しかも現代版」といったところなのですが、そこは稀代のストーリーテラー、たくさんの登場人物が複雑に入り組み絡み合い、もつれにもつれ一気に収縮します。なんたる豪腕。マフィアたちの痛々しい描写も多く重苦しい気分になったりもしますが、紛れもない大傑作です。
個人的にはウィンズロウのベストかも(軽いベストが『ボビーZ』で重いベストが『犬の力』でしょうか)。

『ババ・ホ・テップ』きたーー!!

現代短篇の名手たち4 ババ・ホ・テップ (ハヤカワ・ミステリ文庫)
現代短篇の名手たち4 ババ・ホ・テップ (ハヤカワ・ミステリ文庫)
ジョー・R・ランズデール

ひさびさに下品な方のランズデールが!
そしてオマケ程度の内容ではありますが「ハップ&レナード」の短篇が2作。あちらでは長篇でも復活しているとのこと。よしよし。翻訳者がちがうせいかレナードの口調が変わってるのが残念無念でありますが、復活の喜びの方がはるかに大きいのでよしとしましょう。長篇は鎌田三平訳のがうれしいけど。

この短篇集自体の構成がなんともすばらしく「ステッピン・アウト、一九六八年の夏」以降、ギアが一気に上がってどうしようもなく頭が悪く猥雑でちょっともの悲しかったりする短篇の数々はどれも傑作。
もちろん好き嫌いのはっきりわかれる作家であり、内容ですのでランズデールといえば『ボトムズ』でしょ系のひとにはおすすめできませんが、ぼくにとっては今のとこ本年度No.1であります。

あ、ちなみに表題作の「ババ・ホ・テップ」は映画になってまして、以前ブログでも触れています。

http://blog.barnumstudio.com/?eid=373773

『あなたのための物語』読了。

いったいいつ読んでんだって話ですが。

文字通り、決して「死」からのがれられない「あなた」つまりすべてのヒトのための「物語」であります。
傑作なのかと言われると「うーん、あんまり他人におすすめする内容ではないしなぁ」とちょっぴり言葉に窮しますが、真正面から真摯にしかも長篇の長さで徹頭徹尾「死」(と「身体性」)を描く、という希有な作品だと思います。

なんというか読んでると呼吸が浅くなっていきます。

あなたのための物語 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)
あなたのための物語 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)
長谷 敏司

『弱虫ペダル』はオモチロイ。

何度か書いたかもしれませんが、『弱虫ペダル』がとてもとてもオモチロイのでありますよ。伊平さんという知り合いのプロデューサーに教えてもらったのですが、ただいま7巻まで出てまして、とてもとてもおすすめなのであります。
ぼくが今一番アニメで観たいコミックです(「つくりたい」ではない)。

弱虫ペダル 1 (少年チャンピオン・コミックス)
弱虫ペダル 1 (少年チャンピオン・コミックス)
渡辺 航

旧世界より。

どうも頭痛が続いてよろしくない。
冷房のせいのような気もするのですが室内の温度がどうしても下がらないのでいたしかたなく。
くそー。引っ越してやる。と決意したけどコミケの反動とおぼしき虚脱状態でのらくらすごしております。

いまさらですがノベルス版の分厚さにひかれて『新世界より』を読了。四六判で上下巻だったのに新書で一冊になってるのはどうしてかしら。厚くて読みづらかったです。
長いですがとても読みやすくジュブナイルSF的なおもしろさにあふれておりました長いですが。

新世界より (講談社ノベルス キJ-) (講談社ノベルズ)
新世界より (講談社ノベルス キJ-) (講談社ノベルズ)
貴志 祐介

『最後のユニコーン』読みました。

どうもうまく世界に溶け込めていない気がする35歳。
もちろん世間にも、ね。

そんなぼくのために『最後のユニコーン』まさかの新訳。しかも続篇があったなんて(最近書いてたのね)。えらいよ学研。なんというか文章から漂う空気のにおいって若い方が強く感じられるので、こういう名作はなるべく若いうちに読んでおきたいですね(無論若さに関係なくおもしろさは感じられますが)。『妖女サイベルの呼び声』とか『ラベンダー・ドラゴン』とか初期のハヤカワFTにはそんな作品がたくさんあった気がします。年代的にファンタジイが少なかったせいでとても特別なものとしてとらえてしまってるのかもしれませんが。今だと宮崎アニメ『ハウルの動く城』で有名なダイアナ・ウィン・ジョーンズの『わたしが幽霊だった時』『九年目の魔法』あたりもよい空気が漂うのではないかと思います。

ゆっくり読み返してみました。
続篇「ふたつの心」もとてもよかったです。

完全版 最後のユニコーン
完全版 最後のユニコーン

九十九乱蔵復活

Twitterに書き込んでるとブログ更新しなくなる現象を体現中。なんか満足しちゃうんだよね。どっちもiPhoneで打ってるからあんまり脳内で差別化できないし。

みなさまがドラクエやりつつ選挙に行っているのを尻目に喫茶店で『闇狩り師 黄石公の犬』を読んだりしてました(選挙もちゃんと行きました。投票所が遠いので大変です)。21年ぶりの新刊だそうですよ、奥さん。ぼくのクラスメイト生まれてないひとけっこういそう。内容は、まあ肩慣らしといったところで。この後に『宿神(仮題)』が控えているのですから素直に九十九乱蔵の復活を多とするのがよろしいかと思われます。伊藤勢のコミックもステキ展開になっていきそうで期待大。

闇狩り師 黄石公の犬 (トクマ・ノベルズ)
闇狩り師 黄石公の犬 (トクマ・ノベルズ)

ソロモン戦役

『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』がソロモン編に突入したのを機に道尾秀介の『ソロモンの犬』を買って読んでみました。内容はビグザムともザクレロともあまり関係なかったですし、戦局を覆すような景気のいい話でもなかったです。
青春ミステリにして動物ミステリ。
しばらく前に米澤穂信『さよなら妖精』というのを読んだのですが、青春ミステリはほろ苦いですね。ふきのとうぐらい。

ソロモンの犬
ソロモンの犬

『ユダヤ警官同盟』読み終わりました。

やっとこさマイケル・シェイボンの『ユダヤ警官同盟』読了。
毎度のことですがシェイボンの作品はとても読みにくいので時間がかかります。今回も例にもれずとても物語の中に没入しづらいつくりになっていました。俯瞰してみた場合どれもとても完成度が高い作品なのですが「日本人である里見にはせいぜい頭で理解するのが精いっぱい」というジャンルに属している気がしてなりません。アメコミを素材とした前作『カヴァリエ&クレイの驚くべき冒険』といいユダヤ人(とユダヤ教。あとチェス)テーマの今回といい、なかなかアメリカ人以外には受け入れづらいのではないかと。ちなみに里見の脳内でこのジャンルに所属している他作家はトマス・ピンチョンからジョナサン・レセムまでけっこういます。

で、本作がおもしろいのかどうかといいますと、シェイボンが翻訳されるたびに読んでいるところをみるとそれなりにおもしろいのだと思います(←煮え切らない回答)。

ユダヤ警官同盟〈上〉 (新潮文庫)
ユダヤ警官同盟〈上〉 (新潮文庫)

ユダヤ警官同盟〈下〉 (新潮文庫)
ユダヤ警官同盟〈下〉 (新潮文庫)

うぃんなーず・ふぉーえーばぁ

http://www.zato.co.jp/shop/shop01_3.html

ソーセージうまー。
ちょっと高いけどおすすめです。
ドイツだからウィンナーじゃないのか。

さてさて。
先ほど書きました通り『レインボーズ・エンド』は無事読了。
日本だとわかりづらいですがプラチェットの人気はすごいんだなぁ。そういえばハリポタのどさくさでディスクワールドの翻訳がけっこう出てましたね。まとめて読んでみようかなぁ。角川文庫の1冊しか読んでないし。要素のひとつとして(というか本篇からすると枝葉ですね)図書館を巡る攻防があるのですが、なんとなくここらへんの描写がよかったです。『華氏451度』から『図書館戦争』にまで流れる書痴の心を踏みにじる焚書への憤りと抗えぬ本への愛情、ではなくてビリーフ・サークルが図書館を前に格闘しているとこです。なんかよくわからんカタルシスがあります。
ガジェット的にはウェアラブルと呼ばれるコンピュータをみなさん装着されているのですが、これこそ『マイクロチップの魔術師』ことV・ヴィンジの真骨頂でありましょう。こんなんアニメで描写してみたいなぁ。
本作はお遊び要素も強めでプラチェット以外にもいろいろな作家の名前がちりばめられていて(得点があいまいなイーガン・サッカーとか)こっそり楽しめまーす。

<< | 2/11PAGES | >>
バーナムスタジオ

categories

archives

links

profile

others

search this site.